朝、太陽が昇ることに感謝する。
そんな気持ちは、彼がいなくなってから初めて抱いた。
どこかで同じように朝を迎えているだろうか。
ちゃんとご飯は食べているだろうか。
みんな無事だろうか。
辛い思いをしていないだろうか。
痛い思いをしていないだろうか。
(頑張って下さいな)
世界を救う為だとか、定められた使命だとか…
自分にとって、そんなことはどうでもいい。
(後悔だけは…なさらないでね)
願うことは、ただ、それだけ。
いつの間にか住み着いたムジナ達が起き始めたらしい。
徐々に騒がしくなっていく朝の空気に、ミィは柔らかな笑みをこぼす。
皆で、彼らが帰って来るのを待てるのは、純粋に嬉しいものだ。
「さ、ご飯にしましょう」
帰ってきたらびっくりするくらいに、料理のレパートリーも増えた。
もしかしたら、あの青い鳥よりも料理上手になったかもしれない。
ずっと、この家で待っているから。
気を付けて、帰ってきてね。
BACK