どこか漠然と、戦うことを選んだ仲間達。

強制された戦いから逃れる為に、戦うことを選んだ仲間達。

戦いを、強要された…仲間達。

そんなみんなが心優しく弱い少年と、出会い共にいることで…

戦うことの真実の意義を見いだし始めた。

…そんな気がした。



『戦う最後の人間』

そんなものになれるのなら…

僕達が、そんなものになれるのなら…

僕も…戦う。

戦おうと思う。



そして…なにより…

一つの勇気が多くの勇気を生む瞬間に出会えたから…

それはまるで自然に発生したかのように、違和感なくみんなに行き渡ったから…

僕のこの長い“時”も無駄ではなかったと思えるようになった。







僕は君を頼りにしている。

悔しいけれど、この体ではどうしても限界があるから。

皆が君に期待している。

『プロトタイプの中で最も優れているから』という理由だけではない。

君の存在に、僕達の未来を垣間見たから。





だが、なんて皮肉なことだろう。

僕達は、君を009に選んだブラックゴーストに、感謝すらしているのかもしれない。

立ち向かうべき敵によって、僕達は希望を得た。

…もっとも、そんなことを考えているのは僕だけかもしれないけど…





本当はそんなこと、どうでもいいのかもしれない。

僕達が出会えたことが、何にも変えがたい幸福なのだから。



それに……



君の存在は、確実に僕に勇気を与えてくれた。


…あるいは……僕の中に眠っていたものを、呼び覚ましてくれたのかもしれない。





僕は、君を、頼りにしている。










…それこそ、全て君に委ねてしまいたいほどに。












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