少ししか感じられない寒さの中、本当は寒くなどないのに寒そうにして歩いてみる。 感覚がまだあった頃の記憶を辿りながら。 通り過ぎる茶色や金の髪の若者。 不思議な色合いの目をした若者。 日本人にはありえないほど茶色い髪の自分。 生まれた時から赤みがかった目をした自分。 いつだったか、自分の容姿のせいで卑屈になっていたというのに。 世の中も変わっていくものだな。 それは、多分、いいことなんだろう。 …それでも僕は変われない。 いや。 それでも僕は、変わらない。 僕は、僕で、生きていく。 BACK