生き物は決まったサイクルの上に生きている。
生まれて、死んで…
死んで、生まれて…
寝て、起きて…
起きて、寝て…
食べて、排泄することも。
植物を糧とする草食動物。
他の生物を糧とする肉食動物。
草食動物とも肉食動物とも似通った雑食動物。
生きた、あるいは死んだ生物を栄養とする微生物。
そしてそれらの朽ちた有機物は、植物を育む。
育まれた植物は、また他の生物の栄養となる。
細胞が新しく生まれ、古い細胞が剥がれ落ちていく。
古い細胞を押しのけて、新しい細胞が表面に落ち着く。
自然環境も決まったサイクルの上で形成されている。
空から地上に、雨が降って。
雨が蒸発して、空へ昇って。
朽ちた植物が、土を肥やして。
大地から、植物が育って。
繰り返される、命の営み。
永遠を感じさせる循環。
そのループの中で、同じ心を持った者が繰り返して、生きているわけではないだろうけど…
百年前の人間と同じ人間の心が、現代に生きているとは思えないけど…
輪廻転生とは少し違うんだと思うけど…
次々に新たな生命が生まれて、今までの生命は消えていく。
消えていくだけでなく、新たな命に影響を及ぼして。
そうしてまた、消えて…発生して…
サイクルではないのかもしれない。
本当は見えないだけで、ずっとただ真っ直ぐな道なのかもしれない。
でも、どこかループのように感じられる生。
それらのサイクルから、僕達は外れてしまった。
それらのサイクルから、外れてしまった僕達はどうなるのだろう…
永遠にこの真っ直ぐな道を歩いていって…
輪になることは叶わないのだろうか?
そうだ…
だからこそ…
僕達なら永遠の愛を確かめられるかもしれない。
永遠に変わらない愛。
そんなものがあるのなら。
そんなものが…あるのなら。
また、ここから、歩いていこう。
この道を、歩いていこう。
輪になる必要は。
僕達には。
ないのだから。
確かめよう。
今を。
繋げよう。
未来を。
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