白い肌、銀の髪、青い唇、赤い傷。



彼に触りたい。



彼を構成する全てに触れたい。



でも…

もし生きた温もりを感じられなかったら…?

もし柔らかな感触を失っていたら…?

もしその目に光が宿っていなかったら…?

もしもう見てくれなかったら…?



そう考えると、怖くて触れられない。



試しに彼の周りに広がる夥しい血に触れると、冷たく指に纏わりついた。

それは後押しの要因には成り得ない。

…決して。





触れたい。

触れて欲しい。

でも、怖い。





次は、素直になるから。

今度目を覚ましたら、ちゃんと想いを伝えるから。










起きろ。

目を開け。

起き上がれ。

我を見つめろ。

大丈夫だと言え。

何でもないと笑え。



「……あいして…」



今でも、好きだ。





…早う…起きぬか…





…まだ…触れるのは、怖い。