災難 〜全ての原因は奴にある!!〜 その4
いつものように、グラウンドに行ってみると…
「もう少し中指に神経を集中させてみてはいかがですか?」
「…とりあえず…やってみる」
いつものように、投球の研究をしているお二人がいたっす。
部活終了後、刺々しい雰囲気が消え去った二人に、ようやく喧嘩の原因を聞けたっす。
猿野君も側に来て興味津々といった感じで…
「…ああ…」
「…それは…」
二人は忘れていたようで、少しだけ間がありましたが
「辰が明美ちゃんのファンクラブに入るのを止めるから…」
「当たり前でしょう?あんな化け物に関わってはいけません」
「なんだと?あの子を侮辱する気か?」
「そうではありません。ただ、あれは…ちょっとありえないでしょう…」
「てめぇ…!」
「なんですか!?私の言う通りにしておいた方が懸命だと思いますがね!」
嘘…そんな理由だったっすか…
猿野君も、顔を掌で覆い隠すようにしてがっくり項垂れてるっす。
なまじ中途半端に自分が関係しているともなると…さすがにきついみたいっすね。
これからしばらく明美化するのを控えてくれそうっす。
それはいいんです。
それはいいんですが…
…それにしても…何というか…
また喧嘩を始めそうな二人を目の当たりにして…
子津忠之介(15)
ただいまこの人生で一番、泣きたい気分です。
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