あいつからの滅多にないメールに、かっこ悪いくらい顔が緩む。


『星すごい』


どれだけスクロールしてみても、たったそれだけの文章。

ちょっとがっかりしつつも、窓際に向かう。

カーテンを少し開け、夜空を見上げてみる。

窓ガラスに光が反射して見えにくいが、寒いので窓は開けたくない。

横着をしてだが、ようやく夜空の星を見る。

なるほど…確かに今日は空が澄んでいるようだ。

オレの口元には自然と笑みが浮かんでいた。

うん…綺麗だな。

これを教えてくれたあいつに、ちょっと感謝。

返信しようとして、ふと思った。


──あいつは今あの部屋で、星空を見上げているのか…


そう思ったら体は勝手に動いていた。

急いで服を着替え、家の階段を駆け下りる。

急いだあまり、バンダナさえもしていない。

突然のことに驚いたらしい母親が、尋ねてくる間も惜しい。


「こんな時間にどこに出かけるの?」



星空を教えてくれた寂しがりやの君に…


「『おやすみ』って言ってくるYO★」











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