ようやく…







「ようやく…か…」

「は?何がだ?」

その声が聞こえるまで、エドはずっとぼんやりしていた。

それこそ、そこに“いない”かのように。

「あっちの世界とお前の存在が、ようやく繋がったみたいだ」

その瞬間、声にならない叫びがエドの喉を迸った。

喜びや驚き…原始的な感情が溢れ出たような叫びだった。

「ほら…行って来い」

「おう…」

どこへ行けばいいのか、はっきりと分かったわけではないけれど、迷うことなくエドは歩き出した。

そして、一度振り向いてちょっと躊躇いがちに口を開く。

「ありがとう…」

「うわ…らしくねぇ…」

「悪かったな!」

予想通りといえば予想通りな答えに、エドは笑いながら大声でそう言った後、徐々に走り出した。

遠く離れたはずなのに、後ろから掛けられた声はしっかりとエドの耳に届く。





「今度は…幸せになれよ?」

「…当たり前だ」





あの人は…いつだって…





「待ってて、くれるんだから」




















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